動画が文字や静止画像より優れている点は何か?
企業が自社の商品やサービスを、より多くの人に知ってもらい、ひとりでも多くの人に利用してもらいたいと考えるのは当然のことです。そのために動画を活用するケースが増えています。
では、動画を制作する目的は何でしょうか?
動画は文字情報と比べて何が優れているのでしょう?
動画戦略で確実に成果を上げるために、発注する側の企業のご担当者が知っておいた方が良いことをお伝えします。
メラビアンの法則から見る動画のメリット
まず、大まかに動画のメリットを理解していただくために、「メラビアンの法則」を使って説明します。
メラビアンの法則という名前を聞いたことがあると思います。人は誰かとコミュニケーションを取る時に単に言葉だけでやり取りをしているのではありません。「言語」「聴覚」「視覚」がコミュニケーションにどう影響しているかを示した法則です。
それによると、視覚の影響が最も高いことがわかります。
<メラビアンの法則>
●言語情報 7%
●聴覚情報 38%
●視覚情報 55%
動画の場合、言語、聴覚、視覚のすべてを使った発信が可能です。
<動画での3つの情報>
●言語:音声・字幕・テロップ
●聴覚:音声・BGM・効果音
●視覚:映像
それぞれの特長と強みを理解して制作した動画なら、見る人に必要な情報を伝え、行動( コンバージョン)へ導くことができます。
※メラビアンの法則をどのように動画制作に活かすかは、今後別の記事で紹介させてもらいます。
文字、静止画と比べて見た時の動画のメリット
次に、文字や静止画と比べて動画が優れている3つのポイントをご紹介します。
情報密度が高い
YouTubeの人気動画を見ると「スピードの速さ」を感じると思います。映像の切り替わりが速く、しゃべりが速く、文字のスピードが速く、音楽のテンポも速いですよね。
企業が動画を制作する場合、誰をターゲットとするのかを考えてみてください。
採用プロモーション動画であれば、ターゲットは17~23歳くらいで、中途採用でも30歳くらいまでがメインターゲットでしょう。
一般的に(2021年時点で)25歳までの人を「Z世代」と呼びます。いわゆるデジタルネイティブで、幼少期からスマートフォン、タブレット、パソコンなどのデジタルデバイスに囲まれ、インターネット経由であらゆる情報を取得できることが当たり前の環境で育ちました。彼らはスマートフォンをサクッと操作し、自分が知りたいことをGoogle検索、YouTube検索で短時間で見つけます。
情報収集目的で彼らが好むのは、情報がぎゅっと詰まった動画です。つまり、余計なシーン、面白くないシーンをカットし、見る人にとって有益な情報で構成した動画です。単にスピードが速いのではなく、「情報の密度が高い動画」なのです。
情報密度(時間当たりの情報発信量)において、文字や画像に比べて動画ははるかに上回ることができます。数値化して比較するのは難しいですが、一説によると1分間の映像には180万語分の情報量があると言われています。(アメリカのマーケティングリサーチ会社)
記憶に残りやすい
文字情報より、視聴覚情報で学んだ方が学習定着率が高いという「ラーニングピラミッド(学習ピラミッド)」という研究結果があります。これによると、読書で学んだ場合の学習定着率が10%であるのに対して、視聴覚情報では20%に上がります。
皆さんにも記憶に残るテレビCMや映画のシーンなどがあると思います。それによって、「行きたくなった」「欲しくなった」という強い衝動にかられた経験があるでしょう。ターゲットユーザーに対して、文字ではなく動画で訴えることで自社の商品やサービスが記憶に残りやすくなるのです。
勝手に情報が入ってくる
本やWEBページを読む場合、目で文字を追い、意味を理解して、頭の中で想像する必要があります。しかし、動画の場合は、一方的に流れてきますので、ただ見ているだけです。
効果音、BGM、テロップ、ナレーションなどを駆使したインパクトのある動画は、つい見てしまい、自然とインスピレーションが湧いて「自分のための動画」になる力があります。
まとめ
動画が有利な点をお伝えしましたが、これらはあくまで特長です。自社の商品やサービスのマーケティングを考え、戦略的に動画に制作し、WEBやSNSで効果的に公開することが重要です。漠然と制作するのではなく、ターゲットに対して最適な情報発信ができる動画を制作してください。
ライター
カカオマン
アンの動画ディレクターです。マーケティング視点で情報密度の高い動画制作を心がけています。